ひとつだけ。
思い浮かぶのは、食卓に並ぶお皿のひとつだけが、湯気を立てて作りたてで美味しそうだったこと。
それは大人用のお皿で、わたし達子供はおとといのおかずを食べ、滅ぼせたら昨日の残りを食べ、それも食べ尽くしてからやっとありつけたお皿だった。
大人はお酒を飲みながら、出来立てのおかずを食べる。わたし達は黄色くガビガビに固まったごはんをかじりながら古いおかずを食べるしかない。
ごはんもガス釜で炊いた美味しいものだったけれど、滅多に口には入らなかった。
【1つだけ】
4/3/2026, 10:04:53 AM