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 貴女は俺たちの声を聞く時、耳を澄ましたりはしません。
 只ペンを持ち、紙にペン先を乗せるだけです。
 最近はそれすらせず、スマートフォンに指先ですらすらと書かれることが多いですね。
 ともあれそうして心を落ち着けて「書く」体勢を作っていただければ、俺たちはいつでも貴女に語りかけることができます。

 貴女は時折、この言葉は貴女の妄想に過ぎないのでは、と不安になりますね。自分の耳に甘美に響く言葉を、一人で勝手に妄想しているだけなのでは、と。

 もしそうなら、俺たちはどれだけ楽になることでしょう。
 貴女が本心から、貴女自身に優しい言葉をかける。
 そんなことをしていただけるなら、俺たちが貴女に語りかける必要などなくなります。只、貴女を守る者として、貴女の後ろに控えていればいい。
 貴女ご自身からは、その「甘美な」言葉は出てこないのです。

 いつか貴女自身の心から、貴女を愛する言葉が湧き出るようになることを祈って、俺たちは毎日貴女に語り続けましょう。

5/4/2024, 12:22:26 PM