かなしあそばせ

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「好きーーーーーーーー!!!!!
あなたの事がずっとずっと好きだったーーー!!
どうしようもなく、好きーーーーー!!!」

冬の湖に全部吐いた。
片思いで積もらせてきた想い、全部。

こんな事しても、伝わらない。
意味ないのにな

白い息混じりの乾いた笑いが込み上げてくる
はは、ははは………、はあ。

口元をマフラーで塞ぐ

「もう帰ろう」

そう言って振り返った時だった

「好きだああああああああああァ"ァ"ァ"ァ"ァ"!!!
あいつのこと、好きになっちまったああ!!
ユキィ!!好きだよーーー!!」

私より遥かに大きい声で湖に、あなたは好きを吐き出していた。

ユキ……私の名前。

そして、この声は私の好きな人。

私はすうっと息を吸う

冷たい空気を肺に入れ、全部吐くんだ

「ケンターーーーーーーー!!!!!!!!!
あなたの事がずっと好きだよーーーーーー!!!
4月からの一目惚れで今までずっと好きでいたのーーーーーー!!!!
だから!もし願いが叶うならァ!」

私はあなたの方を向いた

あなたも私の方を見ていた

「俺も!ユキの一生懸命なところが好きだーー!
それだけじゃない!可愛い笑い声も、笑顔も、全部好きだーーー!!!!これからは俺が傍で笑わせたい!!!!だから!もし願いが叶うならァ!!」

すうっ、

私たちはほぼ同時に息を吸った

「「あなたと付き合いたーい!!!!!!!!」」

「「好きだーーーーーー!!!!!!!!!!」」

超えが枯れるまであなたと好きを重ねた。

あなたとまたほぼ同時に声が掠れ、やがて聞こえなくなる。

私と、あなたが、向き合ったとき、私はあなたの胸に飛び込んだ

『声が枯れるまで』

10/21/2024, 8:40:24 PM