題 電車に乗って
ガタンゴトン
何だか特別な感じ
お母さんとお父さんと妹と
今日は外食の日
めったにないことで、嬉しくて
私は気分が高揚する
夜の電車から見える優しいオレンジの明かり
みんな家で晩御飯食べたりしてるのかな
私は妹とそんなことを話しながら
昼とは違う夜の空気を眺めている
レストランに着いても
夢見心地は解けない
どこか非現実な気持ちで行き交う人を見ている
夜のお出かけ
パイに包まれたスープも、ジュウジュウいうステーキも何もかも夢のようだ
胸の中でピンピンと幸福たちが跳ねているような感覚
「嬉しそうだね」
お母さんにそう言われる
「うん、楽しいよ」
私は笑顔で返した。まだこの特別な夜が続くことを知っている。
また帰りの電車で夜の時間帯にしか流れない空気感を味わえるから。
つかの間のような、夢のように時間の流れが曖昧なような
そんな時間の感覚に今日は浸っていたいな。
私は静かに夜の空気を吸い込んだ。
2/29/2024, 11:58:23 AM