ナヅナ

Open App

安らかな瞳
ある程度の仕事が終わったのだろう。背伸びをしてからこちらに向き直り報告をした。もう用は無いので立ち上がると彼女に引き留められ
「そろそろティータイムにしない?」
と言われた。3時間も人の事を放置しておいてこうも笑顔で話せる彼女は凄いと思う。自分は簡単に報告する癖にあれに関してはしょうがないのはわかっているがどうにももやもやする。そもそもティータイムなんて何時しない癖に習慣かの様に言っているのはどういう風の吹き回しなのだろうか。無言の抗議をして居ると彼女は笑った。
「何が可笑しい事でも?」
不満を隠そうともせずに言い放つと彼女は笑うのをやめて
「いや?別に何でもないけど。笑っちゃってごめんね。それで、どう?時間は大丈夫?」
「えぇ、時間は大丈夫ですが。」
嘘をついてもすぐにバレるのは明白なので素直に言う。すると良かったと笑顔で言って彼女は立ち上がる。続けて立ち上がると
「いいよ、座ってて。それじゃ持って来るね。丁度新しい茶葉が手に入ったからお菓子を用意して誰かと飲んで見たかったんだよね。」
と制止された。それにしても、なるほど。そういう事だったのか。彼女は割と気分屋なので納得がいった。納得がいった所で意識を現実に戻すと彼女の姿が見えた。ウキウキしながら準備をしている彼女をみてため息を吐く。これからティータイムが始まるんだと分かってはいたが覚悟が決めきれてなかったのか腹痛がした。彼女の笑顔はどこか裏がある。このティータイムでも何かしらの探りを入れられるかも知れない。警戒はしておいて損はしないだろう。
「お待たせ。用意できたよ。」
暫くすると彼女が戻ってきた。今この時も笑顔を浮かべているがこれにどれだけの本心が込められているのかは分からない。けど彼女も本心は解らずとも笑顔を浮かべているのだ。私もとりあえず笑顔を浮かべておく。さて、探り合いはどれくらい持つだろうか。彼女の安らかな瞳にもう既に見入ってしまいそうになりそう持たないであろう事はもちろん探り合いにも負ける事を直感で感じ取った。

3/14/2026, 11:41:44 AM