君の奏でる音
君はいわゆる天才と言われる奏者で、どのコンクールに出ても必ず君が優勝する。
皆から讃えられ、尊敬され、嫉妬され、疎まれ、いろいろな感情が渦巻いても表情1つ変えない君。
君はいつも孤独の中にいると思っていた。ても、君の演奏を本当の意味で待っている観客がいたのだ。
君の奏でる音に誘われて小鳥やうさぎ、子鹿、リスなどの小さな動物たちが集まって来る。気がつけば君の回りは小さなコンサート会場のようになっていた。奏者である君は見たことのない微笑みを讃え、心の底から楽しんでいるように見えた。
僕はまだ君に近づけるほどの実力はないが、いつかきっと君の隣で演奏できる奏者になって、この小さなコンサート会場で動物たちのために君と音楽を奏でてみたい。
君の奏でる音が僕の道しるべとなりますように。
8/12/2024, 2:38:46 PM