せつか

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古い細胞は日々死んで、新しい細胞が生まれ続けている。昨日の私とまったく同じ私はどこにもいない。
クローンの私が出来たとして、彼女の細胞も日々生まれ変わり続けているのなら、たとえクローンだとしてももうそれは私とはまったく違う存在になっている気がする。

昨日と違う私は昨日と同じ気持ちで好きな本を読んで、仕事をして、推しのXを見ている。
もし、古くなって死んでいった細胞の中に気持ちの欠片が混ざっていたら、同じ気持ちだと思っている私の感覚自体が勘違いなのだろうか。

人を構成する細胞が日々生まれ変わっているのなら、その細胞から生まれた臓器である脳から生まれた感情も、日々生まれ変わっているのだろうか。

好きという感情の生まれる過程は誰にも分からない。
そしてその感情の消えていく過程も·····。


END



「昨日と違う私」

5/22/2025, 3:20:03 PM