ミミッキュ

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"視線の先には"

ふと隣を見ると、彼の横顔が目に入った。
その横顔は、儚くて切なく痛々しく感じる。だが同時にどこか優しく微笑み見守るような、暖かさも感じた。夕焼けを吸い込み、キラキラと瞬く目はまるで宝石のようで美しかった。
「…。」
一体どのくらいたっただろうか、その横顔から目が離せなくなり、しばらく見蕩れていた。
やがてこちらの視線に気づいて、恥ずかしそうに目を細めながらこっちを向いた。
「…なんだよ。」
「いや、別に…何でもない。」
「そうかよ。」
「…美しいな。」
「そうだな。」
そう言って彼はまた夕焼けに視線を向けた

7/19/2023, 2:40:09 PM