終わり、また始まる、
「無い…」
合格発表の日、私は番号の紙を持ちながらあぜんとした。
私の番号がなかった。
あんなに必死に勉強したのに…
「ねぇ千代子!私、受かってたああ!!」
え…
「私遊んでたのに」
馬鹿にしているようにしか聞こえなかった。
「そうなんだね、良かった」
私は、受かっていなかった悲しみを、ぶつけることなんてできないし。
「ねえ、千代子は?」
うるさいよ…受かって無いんだから
「どしたの?返事してよー!」
うるさい…
うるさいうるさい!
「黙ってよ!私は受からなかったの!」
ハッ、っと気づいたときには遅かった。
梨花は、悪くないよ。
確かに、ちょっとイラってくる事も言うけど…
受からなかったのは私のせいだ。
でももう…言ってしまった。
「ご、ごめ…んなさッ」
言葉が詰まって出てこない。
「落ち着いてよ、千代子」
「梨花…ごめん、ごめんなさい!」
「大丈夫だよ…今、終わったとしても、また、始めればいいんだから。」
梨花…そうだよね。
諦めなければ、道はある!
そうして私は、帰り道を勇気を出して歩き始めた。
3/12/2025, 12:15:18 PM