ヨルガオ(短編小説)

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ある日、赤い糸が見えるようになった。

私の薬指に結ばれている糸。

相手は誰なのか、糸を辿ってみた。

しばらく進んで、私は空を見上げた。

「……え?」

雲の向こうへ続く赤い糸。

私の運命の人は、空にいるみたいだ。

会いたい。

そう思いながらきた道を戻った。

「…ここに結びつけて……よし」

私は天井に吊るした赤い糸に、首を通した。

「ぐっ……」

少し苦しいけど…嬉しい。

この赤い糸が、私と運命の人とを巡り合わせる

架け橋となるのだから。


ー赤い糸ー

6/30/2023, 11:05:04 AM