奏(かなで)

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地面に落ちている石(?)を拾っている少女がいた。
「なにをしているの?」と僕は問う。
少女は「星のかけらを拾っているの」と答えた。
星のかけらとはなんなのか気になった僕は更に問いただしてみた。「星のかけら?」と
少女は「そう、星のかけら。星のかけらっていうのは自ら命を絶った人達の命のかけら。自ら命を絶った人は星になる。そのかけらを私は集めてる。」
今時の子はそんなジャークを言うのか、と思っていると
「ジョークだとか思っているんでしょう?でも本当なの。私が拾ってあげないと報われない。その人が生きた証を永遠に残すために、拾ってる。......ここら辺にあるのはこれだけね。私はもう行くわ。」
僕は止めることはしなかった。
少女が去る時、少女の持っている星のかけらがほのかに光った気がした。

1/9/2025, 10:51:36 AM