ゆじび

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春恋


「春」
恋の季節。
貴方と出会ったのは、貴方と愛を誓ったのはどちらも春でしたね。
私は私の意思で貴方を選び、貴方から逃げるのです。
2024.3.11


「春」
辛い季節。
貴方と出会って、別れた季節。
未練がましいと思うかも知れません。ですが私...
俺はもう一度貴方に会いたいと願っているのです。
2025.3.19

彼女とは一昨日、結婚しようと約束したのです。
俺からプロポーズをしたとき、泣いていました。
明日は彼女のご両親に挨拶に伺おうと
思っておりました。
でも、昨日彼女が消えました。
俺の事が嫌いになってしまったのでしょうか。
今は気持ちが落ち着いています。
実感がわかないのです。一時間でもしたら、ふらっと帰ってくると思ってしまうのです。
もう帰って来ない。そうわかっているのに俺は...
俺はこんなにも彼女を愛していたのです。

なんとなく彼女の部屋に入ってみました。
絶対に入らないで。と言われていたのでここに入ったのはほとんど初めてです。
彼女との約束を破ってでも彼女がいたことを忘れたくなかったのです。
引き出しを開けました。特に理由はありません。
本当になんとなくです。
引き出しのなかには大量の手紙が入っていました。
誰かに渡すつもりだったのでしょうか。
もしかしたら彼女は浮気をしていたの
かもしれません。でももうどうでもいいのです。
浮気をしているのかはもう調べる気にもなりません。
彼女が俺を捨てた。事実はそれだけです。
でも浮気相手な誰なのか気になります。
チラッと宛先をみてみました。
そこには「晴輝」...俺の名前が書いてありました。


晴輝へ
私は貴方を心から愛しています。
だから逃げたのです。
辛い想いをしたくなかったのです。
貴方に嫌われると思うと正気でいられなく
なってしまう。
どうか私をゆるしてください。
2024年3月14日明日夏より

明日夏..彼女からの手紙。
日付が昨日になっている。
俺は必死に手紙を読み進めました。

晴輝へ
晴輝、ごめんね。
プロポーズとっっっても嬉しかったよ。
でもね、私は貴方と結婚したくありません。
じゃあプロポーズ断ったらよかったじゃん。
って思うかな?
矛盾してるけど私は貴方を、愛しています。
結婚、したくてたまりません。
でも私が私である限り貴方とずっといることは出来ないのです。
2024年3月13日明日夏より

晴輝へ
ずっと話していない事があります。
直接話そうと思います。
ドキドキしますが明日私の全てをお話します。
2024年3月12日明日夏より

なにを話そうとしていたのでしょうか。
そういえば昨日明日夏は何か話そうとしていました。
でも話す前俺がプロポーズをしたのです。
明日夏は一体なにを伝えようとしていたのでしょうか



明日夏が消えてから一年が経ちました。
明日夏の父から電話がかかって来ました。
明日夏の事を話したいから家にきて欲しいという内容
でした。
俺は明日夏の事を知りたくて明日伺いますと返し
電話を切りました。


  家を伺いました。
どうやら彼女は既に亡くなったそうです。
不思議なことに涙が止まりませでした。
俺に事情を話さず消えた女が死んだだけなのに。
..日頃のストレスでしょうか。
泣いているとご両親が隣に座り、俺の肩に手を置きました。
初めて会った人なのに手のひらの温もりが、彼女の小さな手の暖かみを思いださせるのです。







貴方に会いたくて仕方ありません。


4/16/2025, 9:57:32 AM