シンビジウム

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【君の声がする】
          『恋慕』

「僕のこと、好き、ですか」
「好きだよ」
 
自分から聞いておいて、真っ赤に頬を染める。

「どしたの、不安になった?」
「…ちょっとだけ」
「好きだから、こういうことしてるんだよ」
 
ベットの上でも隣にいる。
こんなに隣にいたら、いつか一つになってしまうのではないかと思う。

「そうですよね」
「なんかあった?」
 
口が開きかけて、また閉じる。
話すのをためらっているのがわかる。

「…話したくない?」
「…言葉、見つからなくて」
 
なんかあると思うんですけどね、ともどかしそうにつぶやく。

「いつでもいいからね」
                       fin.

2/16/2025, 9:23:18 AM