MZRYA−I'm little cat.

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神様へ

「う、うーん…ここは………」
目が覚めると、真っ白で本当に何もない場所に居た。
「うわっ!?眩しっ!!!」
「ふん、やっと目覚めたか。」
突然光とともに謎のイケオジが現れた。
「えっ、は、あの誰すか?てかどうやって出てきた………」
「先ず一つずつ答えてゆこう。」
「ア、ハイ オネガイシャース」
顔も声も整ってやがる。
やはり神は二物を与えるのか…
「先ず、私は誰なのか。ということだったな?」
「ウッス……」
「簡単に言うと”神”だ。」
「………は?」
出てくるときも突拍子もなかったから発言も突拍子もないってか!??
「いやいやいや、どっからどーみてもただのオッサンじゃん!」
「んなっ!?何を言うか!れっきとした神だぞ!」
スーツ着てるし、顔見なければただのサラリーマンにしか
見えないのに……
「なんだと!?」
「あ、ヤベ。」
「まったく、最近の若いもんは………」
ブツブツと老人のような偏見を独り言ちている自称神を見て、
「あの~どーでもいいんすけど早く返してくれませんかね~」
「む、仕方ない。なら手短に言うぞ。」
そう言うと自称神はくるりとこちらを向いた。
「要点をまとめると、お前は死んだ。だがあまりにも突然でお前は気づいていなかった。そしておr、ゴホン!私より位の高い神様が二つ願いを叶えてくれるそうだ。私はその願いを聴きに来たのだ。」
「………え~っと、二つの願いを聴きに来たのね。」
正直ほぼ聞いてなかった。
「まったく、最初っから聞いていたか?」
「うーん…願い事か………」
こうして考えてみるとあんまり大きな願いなんて無いもんなんだな。
「……強いて言うなら、宝くじあったって見たいのと…
ん~~………まぁ、普通に親悲しませずに生きるってぐらいかな。」
「そうか……なら、しばしの間目を瞑っておれ。」
言われた通りに目をギュッと瞑る。
最後になにか声が聞こえたが、聴き取ることは出来なかった。
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「……ぇい!髙橋さん意識が戻りました!!」
周りから慌ただしい声が聞こえてくる。
「髙橋さん、私の声が聞こえますか?」
「……は、ぃ…」
声を出そうとして掠れた声しか出せないことに気づいた。
「よかった……これから親御さんも呼んで来ますので安静にお願いします。」
声を出さずに首だけで頷くと、看護師さんはパタパタとスリッパを鳴らしながら遠ざかっていく。
ここは病院?
なぜこんなところで俺は眠っていたのか。
考えるうちに眠くなっていって、いつの間にか目を閉じていた。
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あれから数年が経った。
退院したあとに俺は全てを知った。
高校の帰りに頭上からモノが落ちてきて、
そばにいた友達が救急車を呼んでくれたそうだ。
まだ通院する必要があるが、生きているだけで儲けものだ。
俺は成人した。
記念に宝くじをいくつか、友達と一緒に買った。
これで当たっていれば親を温泉旅行にでも連れていきたいな。

4/14/2023, 11:31:38 AM