ついこの間までダウンコートにブレザー、セーターの下にカッターシャツそしてヒートテック、マフラーと寒いのが苦手なあなたはいつももこもこと着込んでいたのに。
慌ただしく過ぎていく季節はもう夏の日差し。
からりとした薫風ではなく、梅雨前のじわりとした湿度を含んだ空気。
まるで北風と太陽のように、俺には脱がせなかった服を一枚、もう一枚と軽々しく剥いでいく。
露わになった、すらり引き締まる白い二の腕をにじんだ汗がつたって。
くらくらとした目眩は暑さではなくて、いっそ暴力的な『半袖』にやられる。
きっと無防備な仕草はこちらが伝えても変わらないのだろう。
一夏以上の暑さと欲の我慢比べ。
5/28/2024, 1:51:07 PM