ネリネ

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あの日から、2日が経ちレナは無事退院して、学校に通っている。少し足を引きずる時もあるが、事故前と大差のない生活が送れているとレナは言っていた。安心した僕は昼休みに、星井にもその話をした。
「…っていう感じでさ。レナ、大丈夫そうで良かったよ」
僕が話し終えると、何故か星井は俯いていた。
「どうした?星井」
具合でも悪いのかと思って、星井の顔を覗き込もうとしたら、いきなり星井が僕の腕を掴んだ。
「花本、少しお前に話がある」
僕はよく分からなくて、それでバスケ部の部長である星井の力には勝てなくて、そのまま立ち入り禁止の紙が貼ってある教室に入らされた。
「どういうつもりだ?星井」
「花本、お前はあの事件からずっと高橋さんの事しか考えてなかった。俺は、俺は……。」
「俺は?」
「お前の、ユウスケの一番になりたかった!」
衝撃的な事実を聞かされた。嘘だろ、そんなわけは無い。
こんな馬鹿げた話があってたまるか。星井は、いや。
アオイは、きっと夢を見ているんだ。こんなことを言うのだったら。僕の1番になりたいという独占欲に似た思いに至ったことは、今まで無かったのに今日はどうしてそういうんだ。
無論その一番というのが恋愛ではなく友情としてのなんだろうが、にしてもおかしい。この思いをどうにか、目が覚めるまでに、アオイから取っ払わないと。
アオイが、これ以上道を踏み外さないように──。

8/4/2024, 5:07:00 AM