―誰もがみんな―
誰もがみんな、
心の奥底で自分は特別だと思って生きている。
選ばれる側だと。
見つけてもらえる側だと。
ちゃんと名前を呼ばれる側だと。
努力という言葉を掲げ、
夢と言う形のないものを必死に握りながら
進んでいるようで。
同じ場所で足踏みを続ける。
失敗した人を見ては安堵し、
成功した人を見ては黙る。
誰もがみんな、
他人を材料にして
自分の物語を保とうとする。
優しい言葉を使う。
理解しているふりもする。
「大丈夫だよ。」といいながら、
手を伸ばすふりをして、
本当は一歩引いたところに立っている。
そして、本当に手を差し伸べるとしても
その手は自分が傷付かないところまで。
誰もがみんな、
救われたいと思いながら、
誰かを救う覚悟は持たない。
正しさを選んで、
安全な方に立って、
それでも孤独だと嘆く。
夜、独りになって、
ようやく本音が心の奥底から浮き上がってくる。
それでも朝になれば、
また何もなかったような顔をして、
同じ列に戻る。
誰もがみんな、
同じように不安で。
同じように怖くて。
でも、
同じように置き換え可能で。
それを知ってしまった瞬間から、自分たちは。
特別だと思っていた自分は。
ただの数の1つになる。
誰もがみんな。
そして、
自分たちが座っている席は指定席ではなく、
自由席である。
貴方たちが自分の席だと思って座っている場所は
他人がその席に座っても何の問題もない。
それは、
貴方だけがそうなのではなく、
誰もがみんな、等しく、同じなのである。
それだけの話。
題名:【真実は如何に】
2/10/2026, 10:59:38 AM