黄昏時の空は火のようだ。
こんなにも赤く染まる空は、誰もが燃え盛る炎を連想させるのだろう。
しかし、よくよく見ると、真っ赤に燃える空の色は幾重にも重厚に変化を刻んでいる。
その微細な色合いは決して炎では再現できないものだ。
やがて宵闇に化ける空は美しくもどこか張り詰めた空気を世界に放つ。
虫の声、獣の声、風の声、さまざまな声が重なり合って空と溶け合う。
しんと静寂が突き刺す森の中でも、よくよく耳を澄ますとそこには音がある。
虫たちも、鳥たちも、獣も、風も皆、空を見上げて生きる瞬間が必ずある。
その時はこう思うに違いない。
嗚呼空は、今日もあまりにも美しい。
6/24/2025, 11:55:15 AM