ただの中学生

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『好きじゃないのに』
偏見が集う世の中
「お前はこの色の服が良い」
そう言って親はピンク色の洋服を差し出してくる
僕は黙って服を受け取り、毎日のようにピンク色の服を着る
次第に僕は持ち物、衣服が全てピンク色になっていた
僕に文句を言う権利は無い
小さい頃からずっと同じだった
自己紹介の時には好きな色はピンク色と答えていた
こうしておけば親は喜ぶから
ある日お店で、ランドセルを買いに行った
親は店員とランドセルについて説明を受けている
僕は青色のランドセルを手に取ろうとしたが、親の発言が鮮明に蘇る
「お前はピンク色が似合う」
「ピンク色にしなさい」 
気付いたら僕はピンク色のランドセルを手に取っていた
「お、その色が良いの?」
店員との話が終えた親はニコニコした表情でこちらを見つめている
僕は黙って頷いた
こうしておけば親は喜ぶから

3/26/2024, 8:09:25 AM