Ryu

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「胸が高鳴る」
入院中にそんな言葉を聞くと、不整脈、狭心症、心不全がまず浮かぶ。
あとは、不安から来る交感神経の高まりとか。
興奮し過ぎると、心臓にそれなりの負担がかかるもので。

でもまあ、そんなことを書き始めると、ただの医療レポートのようになってしまうので、最近胸が高鳴った経験を思い返してみると…無い。
いや、無いことはないが、朝の電車でパニック起こしそうな時とか、それこそ先日の手術前とか、結局医療レポートに載りそうな出来事ばかり。

思えば、過去に胸が高鳴った記憶といえば、まず筆頭に浮かぶのが、ギャンブル。
これは高鳴ったね。
勝った時も負けた時も、それが決まる直前も。
まあ結局、負けて苛立ちで興奮することが日常になってしまって、やめた。

恋愛で胸が高鳴ったのは、もう遠い昔。
よく覚えていない。
今はもう、ドキドキしなくても一緒にいられる存在になったから、胸が高鳴るどころか、心が安らげる場所がそこにある。
ここに辿り着けたことは、ホントに幸せなんだなと思う。
幸せの要素がひとつふたつ増え、家族が出来上がったことも。

胸が高鳴る経験は少なくなったけど、落ち着いてじっくり人生を味わう時間は増えたような気がする。
今の入院生活みたいに。
振り返る過去の記憶は日々増えていくもので、年を取れば取るほど、様々な思い出をストックすることが出来る。
これは、年を取ることのメリットだと思う。

まあ、忘れてしまったものも多いけど…きっと、覚えているべきこと、忘れてしまった方がいいものが、自然淘汰されているんだと思う。
恋愛に対する胸の高鳴りなんて、いつまでも持ってたら家庭を守っていけない…んじゃないかな?
人生に刺激を求め続けるなら、それもアリかと思うけど。

それでも、映画とか音楽とかゲームとか、胸が高鳴るとまではいかなくとも、ワクワクするものはそこかしこにある。
それだけで人生は充実してるし、新しい何かに挑戦することだって出来る。
文章を書くこともそのひとつ。
生きてる限りは、ワクワクしながら楽しんで日々を過ごしたいね。
そして、健康には十分に気を付けて。これは切実。

3/20/2024, 1:55:00 AM