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小さい頃から、私は劣等感まみれだった。
体は小柄、非力で不器用、臆病で軟弱。性格も根暗。
姉は正反対で、何でも器用にできて、性格も明るく良い子。
姉が何かすごいことを成し遂げる度に、自分には何もないのだと周囲に言われた。…嘘。言っていたのは、劣等感まみれの自分。
成長してから、少しずつ自分にも自信が持てるような特技が見つかった。周りにも得意な子はあまりいなくて、特別に思えた。初めて味わった優越感は気持ち良かった。でも皆隠しているだけで、私の知らないところですごいことをしている人達がたくさんいることにすぐ気づいた。結局、自分は何でもなかったのだと、悟った。
劣等感が優越感になっても、苦しいことは変わりなかった。
いつか、劣等感も優越感も感じない境地にいってみたい気もするけど、そんな風になったら私は、ぬけがらのような人になる気がする。

7/13/2023, 11:18:36 AM