“River〃”

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荒廃した精神 ... 疲弊した魂、心 ... 。人や何かしらという所謂 〝 ほか ( 他 ) 〟に矛先を向けてみたくなる奮気すら湧かない。怒りすら込み上げて来ない ... 。

思いを遂げてしまった罪人の清しい ... 爽やかな ... そうした情けない顔は持っていないという程度のチンケな誇り?プライドみたいな事すら今はもう携えない。

スコッチの繊細で僅かな甘味に黙らさせて貰う静かな夜のカーテンに隠れる。

本当に自分すら愛せなくなったズタボロの己が合掌し乍ら 〝 偽り 〟とは? ... なんて事を考えてみたりしている。

チャラく崇敬しつつ大っ嫌いだったデキの良い2歳上の実兄に〝 おまえなんかよりぜんぜんおんな経験多いよ 〟と告げられた時のナサケナイ気持ちとか、元来というか先天的世渡り上手また愛され好手な3歳上の次姉に、アコースティックギターを初めて弾けるようになった興奮を話す俺に告げた冷ややかな〝 よかったね、聴いてくれるひとがひとりもいないけど。〟... ... ..... 。

この世は、それでも美しくやさしい、ソフトタッチな地獄なのであろうと念う。

私は絶好の死に時、そのタイミングを静かに待ち続けているだけの小虫だが地から見上げて拝む見ず知らずの様々な遣り取りは愉しい。

それとかに感謝し乍ら好機終焉を待つ。

昼空は青い。月は白い。そして朝焼は剰りにもやさしい。

51年も寄り道させてもらった感謝だけ忘れぬよう好機終焉を待つ。

夜のカーテンはもう捲らない。

11/28/2022, 3:55:44 PM