霧夜

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どんなに辛くても、苦しくても。

いつも声を殺して泣いていた。

うるさくすると、またお父さんに叩かれるから、怒られるから。

枕に顔を押し付けて、一人きりで泣いていた。

「フッ...うぅ...う、あ...グズッ...ッア...」

今日も、一人で、声を殺して泣いていた。

誰にも見られる訳にはいかない、俺の弱い部分。

消えないトラウマが、俺の涙を誘って、泣いても泣いても、辛くて苦しくて。


--あぁ、声を出して、思いっきり泣けたのなら...どれだけ良いだろうか?

#声が枯れるまで
96作目










































数年後

「あぁ...ウッ......グズッ...フ、ウウ...」

ベットの上で、丸まりながら泣く。

数年前から、何も変わらない。

けれど...


ガチャリ

...扉が開いた音がする。

トテトテと、こちらに向かってくる足音の音がする。

ベットが少し揺れて、背中を優しく撫でられる。

身体を起こしてみると、悲しそうに、けれど優しい顔で微笑むあいつがいた。

...次の瞬間に、俺はあいつに抱き寄せられていた。

...優しくて、暖かくて、

「大丈夫...大丈夫...心配するな...」

赤子をあやす様に、背中を撫でられて、

安心してしまった俺は。

「...う、うわぁぁーん!あぁぁ...!!うぐっ...あぁ...」

声を上げて、無様に、縋るように泣きついてしまった。

...そんな俺を、優しく受け止めてくれるあいつに甘えて。


あとがき

はい、ここまで読んでくださっている方、ありがとうございます(⁎ᴗ͈ˬᴗ͈⁎)
前半のがなんか悲しくなってしまいまして...展開滅茶苦茶でもハッピーにしたくなったので書きました(ハッピーなのか?)

前半は、誰にも甘えられなくて、弱い所を見せられなくて、助けても言えなくて、孤独に沈みながら静かに泣く主人公。

でも、数年後、自分の弱さを受け止めてくれて、安心してして、声を出して助けを求められる相手に出逢えた--

みたいな感じですね(意味不)

...何はともあれ、ここまで読んでくださった方ありがとうございました!
それでは、また会う機会がございましたら、よろしくお願いします~(*'ᵕ'*)ノ"

10/21/2023, 11:11:15 AM