冬晴れ
気まぐれでメールを書き始めた。普段言えないような言葉で。1年分の想い。
たった1年だが、いざ書き出すと、手が止まらない。最後の日だから、というのもあったからかもしれない。あれもこれもと詰め込む。出来あがった時には、すでに年を越していた。
まとまり無い手紙だが、気恥ずかしさで自分をごまかす。送信前に読み返すと、冒頭ではっとした。
『冬晴れが心地よい師走の候、いかがお過ごしでしょうか……』
冗談の挨拶で始めた、気まぐれの筆。書き直してもかまわないが……。
せっかくだから、もう一年分加えて送ろう。うん、そうする。そうなるといい。
1/5/2024, 11:16:54 PM