リヒトリト

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杖を手に入れても、進むことの苦しさは
進む程に増すばかり。
僅かな支えの杖さえも、折れやしないかと気が気でない。
杖に感謝もしてやれない。

捨てて這うのが優しさなのか。
私にはわからない。
どうすればよかった?

温かな手が差し伸べられると
信じるべきだったのか。

引き返せない。
立ち止まれもしない。
錯覚に等しい小さな光りを追いかけて
ただ進むのみだ。

このしぶとい命が尽きるまで
歩む他ない。

12/9/2023, 3:59:10 AM