「私とあなたじゃ住む世界が違う 第五十九話」
「よりによって、一般人に負けるなんてな」
空を箒で飛んでいるスレートウィッチは、薄ら笑いをして落ち込みました。
「ナイトメア様に何て言えば良いんだよ…一般人に負けたなんて言ったら、どうなるんだろ?」
スレートウィッチは、行方不明になっているドリームレースの事を思い出しました。
「ドリームレース、きっと任務に失敗したから帰れないんだろ?今はアンタの気持ちが分かるよ」
スレートウィッチは、ドリームレースに会いたいと思いました。
「ドリームレース、何処に居るんだ…?今はアンタに会いたい」
スレートウィッチは、ドリームレースを探し始めました。
「マジカルコンパス」
スレートウィッチの前に、ホログラムの様な羅針盤が現れました。地図にドリームレースの居場所の座標が光で指し示しました。
「ココに居るんだな」
スレートウィッチは、光で指し示す所に向かって飛んで行きました。
スレートウィッチは、座標の地点まで飛んで行くと、占いで商売しているドリームレースを発見しました。
「ドリームレース、見つけたぞ」
「お客さん、ちょっと待ってて下さい。スレートウィッチ、私、帰れない…」
ドリームレースは、占いの手を止めてスレートウィッチの所まで行きました。
「分かってるよ。うちは一般人に負けたんだ。帰れないのは同じだから」
「私、二度も任務に失敗したから、ナイトメア様の元に帰れない…」
ドリームレースは、涙目になっていました。
「帰れないけど、帰らないとマズイんじゃないか?」
「帰れないよ…」
「家とか寝泊まりとかどうすんだよ…」
「それでも、帰れない…」
ドリームレースのボロボロになった服を見て、スレートウィッチは全てを悟りました。
「ナイトメア様の玩具にされたんだな…」
「痛いのか、気持ち良いのかよく分かんなかったけど、あんな気持ち悪いの耐えられない…」
「男は良くても、女は大ダメージを被る奴…だよな、ソレ」
「お仕置きって、服を破かれるの?体中舐められて、舐めさせられるの?まるで服を着てないお人形みたい…」
「サンフラワーは行為のシーンをネットに流されたからな…」
スレートウィッチは、顔を青ざめました。
「…ドリームレース、現実世界に逃げようぜ」
「現実世界?」
ドリームレースは、スレートウィッチの方を見ました。
「ナイトメアに見つかって、また嫌な思いするくらいなら逃げた方がマシだろ?」
「逃げたい。けど、私達配信者だから、誰かが必ず追って来るよ?」
スレートウィッチは、少し考えました。
「一般人に戻ろう。二人で」
「うん、戻ろう」
スレートウィッチは回帰光玉を出して、ドリームレースと二人抱き合うようにして回帰光玉を抱きしめました。
「コレ…ナイトメアの一味になる前の姿だよね?」
ドリームレースは、笑顔になっていました。
「コレで、晴れて自由の身だな」
私服に戻った二人は、現実世界に帰って行きました。
12/19/2022, 11:03:43 AM