はた織

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 冬の白き陽光を浴びている から紅のさざんかを指で摘んでみると、湿っているような柔らかさであった。

 葉肉という言葉があるなら、これは花肉と言えるだろう。響きからして甘くて美味しそうだ。蕾から花開こうとするさざんかも柔らかい。こちらの方が、花開いたものよりも人肌に馴染む。未だ蕾のものは当然固い。
 これが暖かな日の光と乾いた寒風で、だんだんと糸がほぐれていくように咲くから実に面白い。

 開いた花に思わず手を伸ばしたのは、このさざんかのように自身のこころを開けたい願いがあったかもしれない。もし私のこころが花開いて花肉のようにしっとりとしていたら、何度も指先で円を描くように触りたいな。

 花の心を詠めるなら、私のこころはきっと詩人だ。指先を黄に染めた花粉をこころに受粉せよ。
 そのこころ、薔薇ならば花開かん。
                 (241212 心と心)

12/12/2024, 1:26:26 PM