夕飯後ののんびり時間。
俺はソファに座って、その前に彼女を座らせていた。後ろから抱きしめて『猫吸い』のように彼女を吸っていた。
「くすぐったいですよ〜」
「癒されてるんだよ〜うさぎは寂しいと死んじゃうんだよ〜」
くすくす笑いながら軽く身動ぎして俺の方に身体を向ける。そして手を伸ばして俺の頭を撫でた。
「お仕事、本当にお疲れ様です」
その様子に驚きつつ、正面からちゃんと撫でて欲しくて抱きしめていた手の力を抜く。それを理解した彼女はソファから降りて中腰になると正面から撫でてくれた。
俺は頭を撫でてくれていた手を取って、自分の頬に持っていく。
「甘えんぼさん?」
「んー……」
彼女は更に手を伸ばして俺を抱きしめて、その胸に収めてくれる。
えーっと……。
大変心地好いです……。
「いーっぱい甘えていいんですよー」
そう優しく囁きながら、後頭部を撫でくれた。
普段、甘えん坊なのは彼女の方なのに、お姉さんのような撫で方、甘やかし方に少しだけ驚いていた。
こんな風に甘えさせてくれるんだ……。
また知らない彼女を知って嬉しくなる。
付き合いは長くなったけれど、まだまだ知らない君がいてくれることに俺は安心した。
おわり
二五九、まだ知らない君
1/30/2025, 1:39:16 PM