「ぐるぐる回って」
彼女が振り向いて、笑顔を見せた。
流れる涙を拭いもせず、駆け寄ってくる。
抱き止めるように受け止めて、そのままぐるぐると回ってしまった。
周りの迷惑になったかと、一瞬思ったが、周囲も似たような雰囲気で、誰も俺たちのことを気にしていない。
「合格おめでとう」
「おめでとう」
「またよろしく」
「うん、これからもよろしくね」
たぶん、きっと、ずっとこれから何年どころではなく。何十年先も。
まるでプロポーズみたいなことを言いそうになってしまい、いや、今じゃ無いだろ。と空を仰いだ。
────君と飛び立つ
2025.08.21.
8/22/2025, 9:12:51 AM