ずっと止まない雨が降り続けていた。もう自然と止むことは無いのだろうと思っていた。
こうするしか仕方がなかったとは言えど、それだけのことをした自覚はあった。
だから、もう自分を終わらせようと思っていた。
だけど、君が現れた。
雨雲を押しのけて太陽が顔を出した。
きっと君は何も知らないんだろう。でも、純粋な顔でこちらを見てくる君に応えたいと思って、自分を終わらせるのはやめた。
いつか君は全てを知ってしまうだろうけれど。
もしかするとここから離れてしまうかもしれないけれど。
それでも良いから出来るだけの事をしよう。
君の前でだけは、白く輝く自分でいたい。
そう思った頃には、雨上がりの虹がかかっていた。
【6月1日 雨上がり】
6/1/2025, 2:32:24 PM