嫌な奴がいる。
初めは優しかった。俺が困っていたら、すぐに気づいてくれる、優しい奴だった。俺もそれに応えたくて、奴に好意を持った。
だが、奴は日を追う事にひねくれていったのだ。わざとなのか、単に余裕がなくなったのかは分からない。奴の感情の爆発に、俺はついていけなくなった。
いや、ついていけないというよりもむしろ、俺と奴は似ていたのだ。気分屋で、尊大で、世間知らずで。
だから俺は、奴が嫌いな訳ではない。ただただ、その言動が嫌なだけだ。最後の言葉はたぶん、ありがとう。
題:最後の声
6/27/2025, 7:31:10 AM