自宅でゆっくりとお茶を飲み、暖炉前のロッキングチェアでくつろいで、そろそろ寝ようか?と思っていたところで玄関戸が激しく叩かれた。
「こんな遅い時間に誰かしら?」
と独り言を呟きつつ玄関に移動して様子を伺う。
ドンドンとノックが続いている。
『居るのは分かってるぞ!開けろ!!』
と声もするせいで余計怖くなり戸は開けられない。
『罠から助けたのになんで恩返しに来ないんだ!!?』
と更に声が続く。
外に居るのが誰かはこれで分かったが
『恩返しするまで帰らないぞ!!早く開けろ!!』
との声で、あぁもう恩返ししないわと決心がついた。
そのまま玄関を離れ布団に入る。
いつの間にか寝ていたのだろう。玄関を叩く音もあの人の声も聞こえなくなっていた。
(誰かしら?)
鶴の恩返しのオマージュ、恩返ししないバージョン。
3/2/2025, 12:26:05 PM