「なに描いてるの〜?」
俺がベランダで夜空を見上げながらスケッチしていたのを後ろから翔くんが声をかけてきた。
「あれ、ほら」
暗闇の中に輝くあの三日月を指差す。
しばらくキラキラとした月に見惚れていると
「月が綺麗ですね」
とイケメンスマイルで言ってきた。
「もう、なんだよ」
「あれ?智くん知ってるんだ」
口角を上げそれこそ三日月のように口元がニヤッと動く。
「はあ…?俺だって分かるよそれぐらい」
なぜか余裕じみた翔くんに苛立ちが覚える。
じゃあどういう意味?と聞いてきたから、得意気に言った。
「あなたが好きです」
あ、と思ったときにはもう遅かった。
言った瞬間、口を塞がれた。
「俺も」
そう言って部屋に戻っていった。
今はまだ、三日月のスケッチに集中できそうにない。
1/9/2026, 1:26:11 PM