ただ、君を想ふ
白く透き通りし肌も
林檎のごとく紅き唇も
ただ、懐かしく想ふのみ
夜桜を見る度、君を想ふ
月光の青色と桜の薄紅色混じり
君の肌のごとく白く見ゆ
猪口の湖面に映りし月影だに
君の思ひいだす手がかりになりぬ
町娘の頭に揺るる花の簪を見るとも
君の髪に咲ける桔梗の細工を思ひ出す
日ごろ思ひいだしつつも
声は少しずつ小さくなる
恋せる日々が遠く
息することだにうるさく感ず
けふもまた、孤独なる窓際に
ただ、君を想ふ
懐かしく、ひとへに懐かしく想ふ
10/30/2022, 4:32:15 PM