良さ塩梅

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明け方。空がちょっと明るくなっていた。

隣にはコテンと眠っている姉ちゃん。
僕の掛布団を剥ぎ取って、鼻までおおって眠っている。

寝る間際、トントンしてほしいという姉ちゃんを子どものようにあやし、気づいたら僕も寝ている。
進学して、退学して、帰ってくるまでの4年間で姉ちゃんは、えらく幼くなった気がした。
10歳年下の僕に子どものように甘える姿は、愛おしくも、どこか不安を感じさせる。

寝返りを打って、僕の背中に手を回し、抱きついてくる。ギョッとする僕は恐る恐る、
「起きてる…?」
声をかける。
一瞬、怪訝そうな表情をしていたが、起きはしない。


もうすぐ朝が来る。
起きたらきっと姉ちゃんは、いつものように明るく振る舞う。
僕はなんて声をかけようか。

1/13/2023, 5:17:45 PM