宝物
あなたとの日々は私にとって宝物だった。
あなたが当たり前の様に私の隣に居てくれたり、他の友達よりはちょっと特別に扱ってくれたり。
今のままの関係でも十分楽しくて、嬉しくて。
あなたと二人きりで話すたびに、私の心はふわっとして、それだけでその日は一日幸せで。
それでも、あなたと恋人という関係になる事を夢みなかった訳はなく。
むしろ、正直なりたかったくらいで、どれだけ授業中に妄想していたことか。
ただ、それは私にはあまりにも勿体無いと思っていたんだ。
だから、高校を卒業した今あなたの隣に居るのが私でなくても、あなたが幸せなら私は幸せだ。
そう思いながら、私は右手で結婚式の招待状を握りしめた。
左手にはスマホを握っている。
その画面には、メッセージアプリが開かれている。
『お前には絶対きてほしい‼︎』
幸せのお裾分けだ、とふわりと笑う。
大丈夫、私は今幸せ、幸せだから。
宝物は大切に宝箱にしまっておく事にするよ。
11/20/2024, 12:31:36 PM