黒山 治郎

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二人で予約したレストラン
グラスは二つなのに
向かいの席は空っぽで
夜景だけが透けて見えていた。

スマートフォンの通知には
「仕事が長引いて行けそうにない。」
そんな淡白な文章が一つ光って
特別だった筈の今日を忘れた貴方
今頃、別のお姫様と踊っているのかしら?

もう、貴方の居場所は私じゃないのね。
この夜景の何処へ身も心も寄せているのか
すれ違うだけの私では最早、知る術もない。

ー 窓越しに見えるのは ー

7/1/2024, 10:15:59 AM