宵風に吹かれたい

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無人島に行くならば、僕はなにも持って行かない。

都会でも田舎でもない。人とも会わない。
きっとそこで死にゆくだけなら、無駄な足掻きはしたくない。
何かを考えるのではなく、ただ疲れた体を寝そべらせ、空を眺め、波音に耳を澄ませたい。
そしていつか「寂しい」と思えた瞬間が、無人島に行く理由だろう。

いつか、いつか僕にその瞬間が来るのなら、僕は無人島で死んでも構わない。

人に疲れた僕は無人島で人が恋しいと思いたい。
そう思えたなら、僕はこの世に悔いなく死んでゆく。

10/23/2025, 1:45:54 PM