白糸馨月

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お題『あの夢のつづきを』

 気がつくと、俺は高層ビルの最上階にいた。その広い場所は俺の家らしくて、上から見下ろす景色がミニチュアみたいに小さい。それに運河が見える。それにまわりには美女が何人もいる。全員俺の妻らしい。
 普段、女性からキモがられがちだが俺が近づかずとも向こうから近づいてくる。それにいきなりシェフが現れたかと思うと大きなオムライスを出してくれる。
 こんなきれいな場所で、美女がいて、おいしい食べ物にありつけて、しばらくそれを堪能したいと思っていた。
 だが、気がつくとなんの変哲もない天井が目に入る。部屋はせまく、めんどくさくなって放置したカップラーメンの器がはしの方に積まれているのが見える。もちろん美女はいない。料理を作ってくれるシェフもいない。
 現実に絶望した俺はもう一度目をつむって、夢の続きに行こうとしたが、いくら待っても眠気がくることはなかった。

1/13/2025, 6:48:16 AM