有栖

Open App

僕は小学生の頃 親がキャンプにハマった事もあり
夏の間 何度かキャンプをした思い出がある。

しかし僕としては出来れば家で過ごしたいし、虫がいる環境で
食事や睡眠を取るなんて想像するだけで
身震いする気持ちだった。

だが親の決定には逆らえず キャンプ場にテントを張ったり
小屋で過ごす体験を経験させて貰った。
台風が近づいてきており、強風でテントが飛ばされそうに
なりながら柱を必死で押さえる思い出は、なかなかの
恐怖だったのは今でも拭えない。

しかし今1人の子供を持つ親となって
子供とキャンプに行きたいと感じている。
どんな心境の変化かと言うとやはり、あの夜の思い出だと思う

ある日の夜キャンプ場で夜更かししている中
トランプも飽きて何か次の遊びを探そうかと
話していると 父が声をかけてきた

「ちょっと来てみ」

僕達は ??? を浮かべながら下を見ているように
言われながら、懐中電灯で道路を照らし歩く
しばらく歩き周りの静けさに
怖さを感じていると父が

「ほら、上見てみ 綺麗やろ」

と上を見るように促してきた。

恐る恐る上を見ると 綺麗な星空が見えた

真っ暗な空に綺麗な星を 誰にも邪魔されずに
独り占めするような感覚に 僕はなんとも言い表せない
感情が溢れた。

あの日から僕は子供が出来たら一緒に見に行きたいと考えている

いつか僕の家族と一緒に。

9/18/2023, 3:39:16 PM