眩しさに負けて、眠りの海から這い上がる。ボンヤリと目を開けると朝日が目に入った。
肩には重みがあり、視線を送ると恋人が無防備な顔で眠っている。
えっと、状況を整理しよう……。
彼女を起こさないように、天を仰ぐ。
昨日は、彼女と色々話して盛り上がって、盛り上がって……その勢いで寝たのか。
どれだけヒートアップしたんだろう、俺たち。
さすがに彼女を起こそうと、身体を揺らす。
「起〜き〜て」
「うう……ん……」
彼女が伸びをしながら、ゆっくりと身体を起こす。
「今、何時ですかぁ……」
「八時過ぎだね」
まあ、そこまで寝坊したわけではないが、寝方がまずかったな。
俺も彼女に習って身体を伸ばす。
「うわ、身体がバッキバキだ」
「頭痛いです……」
彼女はまだ微睡んだ中にいるのは分かった。ぽやぽや状態の彼女を無理に起こしてもな……。
まだ、目が開ききらない彼女を後ろから抱きしめ、誘導してもう一度ソファに座らせる。そのまま俺に寄りかからせた。
「どうしたんですか?」
「五分だけ、ね」
まだ身体が起ききらないだろうから、朝日を浴びてゆっくり目を覚まさせようと思った。
「起きたら、朝ごはん食べて、身体を動かしに行く?」
外に視線を送ったまま、気にせず声をかける。
「いいですね」
彼女の声は、少しずつ覚醒してきていることを伝えてくれた。
のんびり、のんびりと。
朝日の温かさ、彼女の温もりを両方感じながら、身体と心の目を覚ましていく。
ゆっくり、ゆっくりと。
おわり
お題:朝日の温もり
6/9/2024, 11:18:37 AM