伸ばした手は虚しく宙を掻いた。もがいても脳を侵食する悪夢と痛みから逃れる事は叶わず、生理的に流れた涙は白磁の床に吸い込まれ染みをつくる。視界が徐々にボヤけていく。自身と世界の境があやふやになっていく。朦朧とした意識の中で思い出すのは、あの日の何気ない約束。「結局、アイツだけが、お、れの……………」テーマ『たった1つの希望』
3/2/2024, 10:49:27 AM