『願いが一つ叶うなら』
「願いが一つ叶うなら、あなたは何を願いますか?」
パズルゲーム中に流れた広告を見て、理花は指を止めた。
「なにこれ?」
自分でも聞こえるか分からないほどの声でつぶやきながら、その広告の詳細画面を開く。
「あなたの願いを、私たちが叶えます。」
この文字が、画面いっぱいに大きく書かれていた。
「うさんくさ」
しかめっ面でそう言いながらも、指は下へ下へ、どんどんスワイプしていく。
「メールアドレスや電話番号、ご住所、お名前などは必要ありません。使用料は、全額無料となっています……、え?まじで?」
理科は、ぶつぶつと、書かれている内容を読み上げた。
「無料だし、いっか」
そう言ってインストールのボタンを押すと、画面に音声マークがあらわれた。
「ここに、あなたの願いを言ってください。願いは一つ限りです。二つ以上は対応できません。二つ以上お願いするとしわ寄せが来ますので、ご注意ください。」
そう書いてあったが、理花は読んでいなかったようだった。
「あの女を消して、あの人と付き合わせてください。」
3/10/2025, 11:10:24 AM