「秘密の味のチョコレート」
2月14日 バレンタイン。
友達も家族も恋人同士もチョコレートという
甘いお菓子を渡しあって楽しむ日。
僕は好きな女の子がいた。
その頃僕らは小学三年生で正しい判断もできないような年頃だった。
女の子はカカオアレルギーでチョコレートが食べられない子だった。
女の子は僕に対してよく言っていた。
「チョコレートが食べたい。」
女の子は生まれた時からアレルギーでチョコレートを食べた記憶がないらしい。
でも甘い香りが鼻を掠める度にお腹が鳴る。
だから食べてみたいそうだ。
でも彼女の母親は駄目だと言う。
彼女の安全のために母親は言っていた。
けれど昔の僕らにはそれが理解できなかった。
「今度のバレンタイン。僕がチョコレートあげる。」
幼いながらバレンタインのチョコレートが特別な意味を持っていると知っていた。
だから渡したかったんだ。
バレンタインの前日。
当時中学2年生だった姉とバレンタインチョコをつくった。姉にはからかわれたけど僕は頑張ってつくったんだ。ついに完成して渡す日になった。
僕は女の子に作ったチョコレートを「秘密だよ」
と言って渡した。
心臓が強く波打ち緊張でどうにかなりそうだった。
彼女は頬をゆるまして言った。
「秘密だね」
その後彼女がチョコレートを食べて倒れたそうだ。
その後彼女は引っ越してしまった。
しばらく会えていなかったがこの間久しぶりにあって話をした。
彼女はあの頃と変わらず元気な笑顔が素敵だった。
僕は彼女にあのときは申し訳なかった。と言う話をした。
そして彼女はあの日と同じように頬をゆるまして言った。
「あの日の秘密のチョコレート。
人生で一番美味しかったよ。」
僕の心臓はあの日と同じように強く波打っていた。
2/14/2026, 10:21:04 AM