恋人だった男の命日がきた。 墓前に煙草と缶ビールを供え、手を合わせる。 夏の終わりに死んだおまえは、完璧だったよ。 天気雨。蝉の死骸。枯れたひまわり。何を見ても、おまえのことを、思い出す。 隣でもがいてたのを、知っていた。助けているつもりだった。 今でも、燃えて骨だけになったおまえを抱えて走った日のことを鮮明に覚えてる。
10/6/2023, 10:12:03 AM