浜辺 渚

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春光輝く4月の流れも、桜花の散り際のようにあっという間だ。公園でその濃い赤色の花弁を知らしめていたツバキは見るも無残に花の軸ごと地面に落ちてしまっていているし、梅の木は既に新葉を生やし次世代への蓄えを始めている。モクレンやハクモクレンはその大輪の花弁を落とし、桜に隠れその栄華の終わりへと向かっている。一方で、ヤマブキは5枚の整った花弁をはつらつに咲かせ、ツツジはそのピンク色の花と燃えるような赤色の花で街路を華やかにさせ、ハナミズキは静としての美しさを演出している。毎年この時期になると、目まぐるしく移り変わる草花のそのなんと短く儚いことかに生命の宿命を感じられずにはいられない。

4/7/2025, 3:36:09 PM