ミツ

Open App

「皆さん、注目してください!」

耳に響く甲高い声。
この声の主は先生。
私は昔からこの先生が苦手だった。

「えー!今日授業でやった事はしっかり覚えておくように!中学でも使いますからね、以上!」

「起立」

※今回の号令の仕方は一つの例です。また、こういった号令があるのかは分かりません
ガタガタと椅子の音がなる。
眠くて仕方ない。
重い体を持ち上げながら盛大にあくびをした。

「これで6時間目の授業をおわります。礼」

「「「ありがとうございました」」」

先生は授業が終るや否や黒板に宿題を書き出した。

「………これが今日の宿題です」

先生が黒板に書いたことは「一つだけの〇〇」だった。
誰かが聞いた。

「誰かと被っていても良いんですか?」

「大丈夫ですよ」

「ありがとうございます」

一つだけの〇〇か。
思いつかない訳では無いけど。

「例えを下さい」

「そうですね…、「命」などでしょうか」

「成る程、ありがとうございます」

命、……生命に関係するものにするか。
………死などでいいのか?
生命の対義語だ。
たった「一つだけの死」。
これでいいのか?
やっぱり帰ってから考えることにして、今は帰りの会に集中することにしよう。
それにしても、寝不足で眠ってしまいそうだ。
今日は早く寝よう。


                            ー1つだけー

4/3/2024, 11:45:47 AM