Largo giocoso

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『寂しさ』



「ただいま。」

そう言っても今は誰も出迎えてくれない。
“おかえり”と返事してくれない。

そんなことになったのは自業自得なのだが、あの人が戻ってきているのではないかとどこか期待してしまう。

僕はコンビニで買ってきた弁当を温め、割り箸を割り、テレビのスイッチを入れて1人静かに食べる。

もうずっと前に慣れたと思っていても、やはりどこか寂しい。

ずっと前までは自分の可愛い子供たちの笑い声や愛しい奥さんの笑顔もあり、この家には花が咲いていたのに。
今じゃ枯れているどころか存在さえしていない。

「続いて、次のニュースです。
〇〇県〇〇市 〇〇丁目に“異臭がする”と通報がいき、警察が調べたところ死体があり、その人には膨大な借金があり自殺の可能性が高いと調査し───」


あの幸せの時はこんなことにはならないと思っていた。
だから、もしかしたら、次は、僕の番かもしれない。


そうなっても、きっと誰も悲しんでくれないだろう。
ただただ迷惑がかかるだけだ。


あぁ、こんなことになるならば、僕は、僕は.........。



12/19/2022, 2:14:05 PM