月下真江

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「なぁ、ーーくん。君は自分の顔を見たことあるかい?」

友人は呟く。

「そりゃあ、当然、見たことあるさ」

僕は当然の返しをする。

「どうして自分の顔を知ったんだ?」

「それは、鏡を見れば一瞬さ」

「鏡がうつすのは、君の顔だけ」

「あたりまえだろ」

「そうさ。当たり前さ。でもね、自分の内面をうつすものは、この世に存在しないのさ。」

「君はさっきから何が言いたいんだい?」

「要するに、鏡のように、正確に自分をそのままうつすものがない限り、自分の内面も、自分では理解出来ていないのかもしれないな。」

8/18/2024, 11:00:54 AM