キミと出会ったのは一昨年の今頃、
冬に差しかかる少し寒い時期だったような気がする。
その頃はまだ他にも何匹か野良猫がいて
キミはその中の一匹だった。
ご飯をあげても他の子がいると嫌がって、
いつも逃げ腰でビクビクしながらご飯を食べてた。
他にも近所の人がいろいろお世話をしてくれていて
キミも良く角のおウチに遊びに来てたね。
年が明ける頃、キミは僕を追いかけるようになった。
家から駐車場までの約500メートル、
歩く歩道をボクの横について、延々歩きながら鳴いてたから自分の歩く振動で声も震えててなんだが可笑しかったのを覚えてる。
家バレしないようにって、途中途中にエサを置いて食べてる間に逃げ帰っていたけど、そんなのは無駄で、雪が降る頃にはウチの庭に棲みついていた。
うちで飼ってる猫達のお古のクッションを寝床にしてたキミをウチに上げたのがその年の四月で、検査を受けて病気が見つかって結局、僕の部屋の住人になった。
朝起きてご飯をあげて、
トイレを片して仕事に向かい、
夕方帰ってご飯をあげて、
寝る前にもう一度トイレを片す。
春が来て、
2階から逃亡するキミと、それを阻止するために自作のバリケードをこさえては失敗するボクを繰り返し、
夏が来て、
家の作り的にエアコンの付けられない部屋で二人で溶けまくり、
秋が来て、
少しづつキミが病院に行く回数が増え、
冬が来て、
キミがご飯が食べなくなった...。
キミは次の春が来る前に
そっちに逝ってしまったね...。
それからボクはいっぱい泣いて
ずっと泣いてしばらく辛かったけど、
いまはもうだいぶ平気になってきたんだよ。
キミはどう思ってた?
つらくて苦しい、そんな感想だったかな?
本当にごめんね、なにがしてあげられたのか判らないけれど、いまならもっとしてあげられた事もあったかもしれない。
それでも、もうキミはいないから。
ありがとう。
ボクがそっちに行ったらまた会えるといいな。
今年もまた冬がはじまります。
キミのいない冬が。
いつもどおりの冬が...。
11/30/2023, 12:11:45 AM